題名

f:id:lllro_84:20220211004224j:plain

 

去年(と書いて一昨年だったことに気づいた、2020年は一昨年)の9月に、Twitterで「自分が惹かれるタイトルを挙げてみる」みたいなハッシュタグかツイートかが一瞬流行って、自分でもその時挙げてみたものを以下に羅列してみます。

あれ以降いいなと思ったものも追加してみます。

 

本のタイトル

春と修羅

よだかの星

月に吠える

富嶽百景

薬指の標本

いなか、の、じけん

蝶々の纏足

中国行きのスロウ・ボート

レキシントンの幽霊

月と六ペンス

一千一秒物語

ライ麦畑でつかまえて

神の子どもたちはみな踊る

旅行者の朝食

生まれた時からアルデンテ

幽霊たち

夜間飛行

絵のない絵本

夜明け前

蜜のあわれ

海をあげる

 

歌のタイトル

六等星の夜

いのちの名前

名前のない怪物

美しい名前

初めての呼吸で

Orphans

夜を駆ける

若者のすべて

Radical Dreamers 〜盗めない宝石〜

金星

新宝島

永遠だったかもしれない

wonderwall

柔らかい月

あの青と青と青

恋とマシンガン

目が明く藍色

夜の踊り子

春擬き

 

映画のタイトル

shape of water

嘆きのピエタ

GHOST IN THE SHELL

永遠と一日

SOMEWHERE

パリ、テキサス

容疑者Xの献身

神々のたそがれ

未来世紀ブラジル

恋する惑星

ミツバチのささやき

そこのみにて光り輝く

あの頃ペニー・レインと

おとぎ話みたい

ベニスに死す

永い言い訳

最高殊勲夫人

勝手にふるえてろ

ひそひそ星

そして父になる

きみの鳥はうたえる

落下の王国

 

漫画のタイトル

光の庭

夢中さ、きみに。

絶対安全剃刀

薔薇だって書けるよ

Jの総て

トーマの心臓

こいつら100%伝説

ルナティック雑技団

月にひらく襟

かんぺきな街

 

 

ここで挙げたタイトルたちはあくまで「タイトルだけで惹かれた」ものであって(なので読んでない/見ていないものも多々ある)、と言いたいところですが、自分で読んだり見たりしたものに関してはどうしても作品の中身との関連性を含まずにはいられず…想いが込められてしまっている、ような。『新宝島』なんかはその真骨頂で、これはバクマン。の映画の主題歌なのですが、漫画家になるという夢を追いかけて道を切り拓き、文字通り冒険を繰り広げていく二人の少年の物語の主題歌に、漫画の神様である手塚治虫の代表冒険譚と同名のタイトルを掲げるということが、当時わたしの胸をどんなに打ったか。

でもやっぱり、物語と完全に切り離して考えるのは難しい。映画の『情婦』しかり『さざなみ』しかり『A brighter summer day(牯嶺街少年殺人事件の英題)』しかり…作品を見終えて初めて「こ、このタイトルを……この作品に……!!」という感動・絶望・激情・興奮の洪水を味わったときの気持ちは何ものにも替え難くて、刃物で刺されたような、またはじっくりと味わって噛み締めるような、あの瞬間は映画を見る醍醐味だとわたしは思っています。

 

全体的に「撞着語法」に弱いようです。ここでは例えば『絵のない絵本』『柔らかい月』そして『shape of water』や『絶対安全剃刀』もそれに属するのか…?そして否定形に弱い。自分で作品にタイトルを付けるとき、気を抜いているとすぐ否定形になってしまう。なんだろう…そこに宿るちょっとしたあきらめ、絶望、嫌味、からかい、そしてその「隠された感情」みたいなものが作品にどう作用しているのか…という不思議な魅力に、つい引き寄せられているような、そんな感じ

それと同じくネガティブな単語が入っているタイトルにも弱い。あと漢字をあえて平仮名にしているものにも何か感じるし…夜・星・海・神性を感じるタイトルにはめっぽう弱い。そして強めの単語やデカすぎ数字が入ってるもの(富嶽百景など)も弱い…心はずっとホールデン・コールフィールドなので。ジャケ買いはあまりしないタイプだけれどタイトルで選んだりはする。タイトルって作品に被せる蓋のような、縫い物の最後にする玉結びのような、人形作りで瞳に色を塗るときのような、封筒に最後に押す封蝋のような…そんなイメージをずっと持っていて、いのちの一部(というのは、いのちそのもの、核にあたるものは作品の中身だと思うので、でも切り離せないものではあるし…うまい表現が見つからない)だな…と思っています。

なのでビビッと来るタイトルに「出会って」しまうと、魂で通じ合ったような…そんな…危険な興奮に陥ってしまうことがある。

 

あと昔のツイートでも似たようなことをしていた。

f:id:lllro_84:20220211003318j:plain

 

学生時代、写真展に写真(単体だったりブックだったり)を出展するときにどうしてもタイトルを付けなきゃいけなくて、でも撮った時にそこまで深く考えていなかったものにタイトルを付けるという行為が難しい上になんだか嫌で、「無題」で出そうとして止められたことがある。結局付けたタイトルは確かやっぱり否定形を含んだもので(よく覚えていない)、あと友人の付けた作品名とたまたま似ててシンパシーを感じた。その子は親友。新刊にも登場します。

今まで写真集につけたタイトルは、

・星の子どもたち(学生時代のブック)

・Children of Stars(ZINEで出した北欧の写真集。↑の英訳で、表紙が同じ)

・pose(学生時代のブック。就活の時ポートフォリオ代わりに一度渡したら紛失されて戻ってこなかった…)

・pause(↑と同じ写真展で、セットで出したブックだけど製本方法が全然違う)

・そのくには(学生時代の台湾写真集)

・Unnamed Colors(ウズベキスタン写真集)

・Anonymous(デンマーク写真集)

寂しい写真ばかり撮るのが好きだから、寂しいタイトルを付けがちです。学生時代から変わってないけど、かっこいい英語を使おうとしてあまり意味わかってない単語を使うのをやめてほしい。

気恥ずかしい…でも気に入っている…かもしれない。単体写真のタイトルはほぼ総て忘れたんですが、ひとつだけ覚えているのがあって、でも写真が見つからない。見つかったら写真と一緒に載せようと思います。

 

今日知ったんですがマイク・ミルズ監督の新作、配給がA24で主演がホアキン・フェニックスだ、楽しみで仕方ない。おやすみなさい。