年越しの作法

年が暮れ、年が明けた。

前の記事で予言したように、吐き気に喘ぎながらの年越しだった。あけましておめでとうございます。

昨日行った初詣では全力で健康を祈願し、お賽銭額は自己最高額の百円を投じた。少しでも健康になれますように。小吉だったおみくじの「病気」の欄には「長引けども平癒す」みたいなことが書いてあって、こっちは長引かないで欲しいと言っているんだが…と思った。

 

年末はクリスマスごろの全日本フィギュアスケート選手権(女子FS、男子FSのチケットが当たりました✌️)を皮切りに何だかんだ大忙しで、たくさん人にも会っていて、賑やかながらも身体の疲労の方は正直だった。

全日本選手権については後日まとめて記事にしたい。(毎年そう思っているのにやったことがないので、ここで宣言しておきます)

 

年末に寂しい思いをしなくなったのは幸運だなと思う。

実家がまだ北海道にあって、且つ自分が都内で大学生をやっていた頃、年末年始やお盆はほとんど実家に帰省していなかった。

一度か二度かは帰ったことがあるけども、航空券の高騰ぶりからとても帰る気にはなれなかった。

でも都内の大学なんて半分くらい(かそれ以上)は地方出身者なもので、友人たちは当たり前のように帰省していた。ので、年末年始は東京に残っている知人友人がとても少なかった。たまに帰省しない友人がいて年越しを一緒に過ごしたこともあったけど、そういうことは少なかったので、寂しがりな自分はどこで年を越すかを考えていた。

近所の銭湯(銭湯には年跨ぎの真夜中まで営業しているところが多いことを知った)に行って、知らないおばあさんと湯船で年越ししたこともあった。ちゃんと「あけましておめでとうございます」と新年の挨拶をして、脱衣所で二人でしばらくさだまさしトーク番組を観た。

東中野の映画館で大晦日を過ごしたこともあった。『おとぎ話みたい』という映画のリバイバル上映が大晦日限定で実施されるというニュースが飛び込んできて、これだ、と思ってチケット戦争に身を投じて勝利した。『おとぎ話みたい』はものすごく…ものすごく面白い…面白いという形容でしっくり来ない…とにかく熱量のすごい青春映画で、ミニシアターでかなりロングランしたのに私は見逃していた。ので、これがきっと最後のチャンスだと思った上映のチケットを手に入れられてかなりラッキーだった。

もちろん座席は満席で、通路や階段にまで座布団席が用意され、満員も満員だった。

趣里さんの演技と山戸監督の筆致力に圧倒される51分を過ごして、胸は熱く、心臓がドキドキしているのを感じながら、そのまま最寄りの蕎麦屋で天ぷら蕎麦を食べて、遅くの電車で帰った。その後の年越しの瞬間はおそらく家で過ごしたけど、寂しく感じる暇はなくて胸はいっぱいだった。その思い出も相まって、『おとぎ話みたい』は特別な映画になった。

 

昨年も今年も年越しギリギリまでipadで絵を描いていた。ipadがあると居間で家族とテレビを見ながら絵を描けるので最高。寂しくない。

昨年は秋頃から絵をあまり描かなくなってしまったので今年はたくさん描きたい…と思いつつも自信はない。今、目の前には2月のコミティアの原稿スケジュールが迫って来ている。新刊が出ますように。新刊が出ますように。出すのは私だが。